2019.1伊豆大島にてpart2
生き物メインで書くブログと標榜しておいて一切生物写真が載らなかったpart1の続きです。
とりあえず島を一周、概要を説明した所で、今回は初日と2日目の夜に行った漁港での採集について書いていこうかなと思います。
大島は伊豆諸島で最も大きく、人口も多いだけあって最多6つの漁港を有しています。
ここで伊豆諸島の面積、人口、漁港数について
(おまけにこれまで紹介したものも)
大島(91㎢,7700人):6
利島(4㎢,300人):1
新島(27㎢,2600人):3
式根島(4㎢,500人):3
神津島(18㎢,1800人):2
三宅島(55㎢,2400人):6
御蔵島(20㎢,300人):1
八丈島(69㎢,7200人):5
青ヶ島(5㎢,170人):1
二神島(2㎢,120人):1
柏島(0.5㎢,400人):1(島の東全面が漁港)
さらにそのいずれもが船の揚陸のためスロープを設置しており、個人的に枕木型と呼んでいる最も採集のしやすいものとなっていました。
〜スロープ3つの型〜
レール型 海面に垂直に走らせた二本のレールの上を滑らせて揚陸するスロープ。最も一般的であり、下記2つとの併用も見られる。なんなら国外でも見られる。
枕木型 海面に並行して設置した枕木で船を揚陸する。関東、伊豆半島・諸島、小笠原、北海道で見られる。
滑車型 滑車を船の下に滑らせ揚陸する。基本的に薩南諸島〜八重山諸島で見られるが、小規模な滑車を用いたものは本土でも見られる。
(一方マリーナでは吊り上げ式が目立つ)
なぜ枕木型が採集しやすいかは単純で、枕木の間に生き物がたまりやすいから、というだけのことです。単調な作りがいい味を出していて、例えば間隙性生物といった採集難度の高い生物が居ついているケースもあるためレア物への期待も持てます。
反面レール型や滑車型では深いところまで平たく整備していることが多いので投網が有効だったりします。
御託を並べるより実際とれた生物を見せた方が早いと思うので紹介すると
順にスジクモハゼ、ヤハズハゼ
同属で本土ではドドド普通種のクモハゼは6スロープ回って1匹のみ捕獲。結局スジ:ヤハズ:ノーマルは25:3:1で、秋の房総の枕木型スロープにおける出現比とほぼ真逆の組成を示しているのが面白い。
ニセカエルウオ
本土ではドドド(略)のカエルウオ(下)とは模様が異なることが分かる。違和感はあったが確証が持てず写真だけにとどめておき、帰ってから魚検で精査。結果正解。背鰭軟条数もニセの最頻値だった。
スジギンポ
純粋に珍しいと思う。2漁港から2匹捕獲。
上3種と同じく恐らく分布のほぼ北限だと考えられる。
あと諸々
1掬いでこれだけ入れば楽しいですよね。
ボラはノーマルとワニグチ以外は正直よくわかんないのでスルーしましたが…笑
魚以外だとハナマルユキの生貝、サムネイルのショウジンガニ属の一種(多分ツブイボショウジンガニ(希望的同定))や、これまた秋の房総でよく見るシマアシイシガニが未成体で居たりしました。やっぱり楽しい。
真冬のはずでしたが、全体的に死滅回遊ピーク時の関東くらいのポテンシャルはあったかなと思います。
さらに漁港採集はスロープに留まりません。
居つくも何も普通に泳いでる魚だってとれる訳で、
タカベ幼魚やアカマツカサ、テリエビス(同行者採集)なんかがとれました。やばい。
さらにさらにここは伊豆諸島、普通に夜釣りをしてもとんでもないのが釣れてしまう訳です。
ネコザメ110cm(同行者)
イカで置き竿してたらかかってたとのこと。同じ攻め方で一回は掛けましたが、僕のクソ雑魚仕掛けでは到底太刀打ちできませんでした笑
(この個体じゃないけど1匹持って帰って焼いて食った。ちゃんと食材レベルにうまい。)
周りは他にもイサキやクロアナゴ、クロムツなんかを釣ってました。特にクロムツは深夜まとまって釣れていたようで、人が爆睡してる中もキャストし続けた連れ達の体力には完敗です。僕はめぼしい物はハートテール(幼魚時に欠損した尾鰭を尻・背鰭が変形して補う)のカサゴくらいしか釣れませんでした。(写真ナシ←??)
これらが大島で出会った生き物になります。神津島に付け加える形で伊豆諸島の特異な生態系への理解が深まったことかと。この流れで次は三宅と八丈かなぁ(その前に伊豆は置いといてまた色々行くんですけどね笑)
ただまだ終わりません
part3三原山荒野行動編に続く👉